この記事の要点
- 地域は郵便番号まで指定できる。 国に加えて州・市・マーケット・郵便番号(国により可否が異なる)。
- ただし商品フィードは国単位のみ。 新規キャンペーンでは下位地域を指定できない。
- 新規アカウントは当初ホーム国のみ。 他国を選んでも上書きされず、解放には本人確認と出稿実績が要る。
読んでほしい人:自社の商圏や顧客条件で、どこまで配信を絞れるか確認したい担当者。
この記事で扱わないこと:コンテキストヒントの書き方と計測。それぞれコンテキストヒントの作り方と効果測定で扱います。
一覧:何を指定できるか
この記事では、2026年9月19日時点で公式ドキュメントに記載されている設定項目を、指定できるもの/制約があるもの/広告主が制御できないものに分けて整理します。
先に注意点を1つ。この領域は最近仕様が変わっています。「地域は国単位のみ」「地域を指定しなければ全地域に配信される」といった記述は、現在の仕様と合いません。古い資料の記述をそのまま使わないでください。
項目 | 指定 | 備考 |
|---|---|---|
国 | ○ | キャンペーン単位 |
州・地域・市・マーケット・郵便番号 | ○(条件あり) | 国により可否が異なる。商品フィードキャンペーンは不可 |
プラットフォーム | ○ | 5種類から複数選択。任意項目 |
カスタムオーディエンスの包含 | ○(条件あり) | 25,000人の一致ユーザーが必要 |
カスタムオーディエンスの除外 | ○ | より小さいオーディエンスでも可 |
コンテキストヒント | ○ | 広告グループ単位。配信は保証されない |
年齢・性別 | × | 設定項目として案内されていない |
興味関心カテゴリ | × | 同上 |
会話そのものの指定 | × | ヒントで方向づけるのみ |
出典:Create Campaigns for ChatGPT Ads
1. 地域:下位地域まで指定できる(商品フィードを除く)
指定できる粒度
公式FAQは次のように書いています。
For other campaigns, yes. In addition to country targeting, you can target supported locations such as states or regions, cities, markets, and postal codes where available.
国に加えて、州・地域、市、マーケット、郵便番号を指定できます。ただし対応状況は国によって異なり、キャンペーン設定時に地名を検索して選択肢を確認する形になります。
地域サービス(施工、修理、教室、店舗集客)では、ここが使えるかどうかで設計が変わります。 実際に自社の商圏の市区町村や郵便番号が候補に出るかは、Ads Managerの画面で確認してください。
商品フィードキャンペーンだけ例外
New product-feed campaigns support geographic targeting and exclusions only at country level. Existing product-feed campaigns were not automatically changed, so earlier sub-national selections may remain, but new sub-national selections cannot be added.
新規の商品フィードキャンペーンは、地域の指定も除外も国単位のみです。既存の商品フィードキャンペーンに設定済みの下位地域はそのまま残りますが、新しく追加することはできません。
配送圏が限られるECは、商品フィードではなく通常キャンペーンで組む設計を検討することになります。詳しくはECの事例記事で扱っています。
新規アカウントはホーム国に制限される場合がある
ここが日本で新規に始める場合に最も効きます。
Some new self-serve ad accounts can initially advertise only in their home country—the country associated with the ad account. Selecting other countries does not override this restriction. Your account automatically becomes eligible to advertise in other supported countries once identity verification is approved and you reach the required advertising spend from running campaigns in your home country. Creating a campaign or setting a budget alone is not enough.
要点は3つです。
- 新規のセルフサーブアカウントは、当初ホーム国にしか配信できない場合がある
- 他国を選んでも、この制限は上書きされない
- 解放の条件は、本人確認の承認と、ホーム国での配信による一定の出稿実績。キャンペーンを作る・予算を設定するだけでは足りない
越境ECや海外向けのBtoBで「最初から米国に出す」計画を立てている場合、この制限を前提に日程を引き直す必要があります。
なお、古い資料にある「地域を指定しなければ利用可能な全地域が対象になり得る」という記述は、新規アカウントには当てはまりません。
2. プラットフォーム:5種類から選べる
指定できるのは次の5つです(任意項目)。
- Android app
- Android web
- Desktop web
- iOS app
- iOS web
Insights(実績レポート)でも同じ5区分でセグメントできます。アプリとWeb、OSを分けて見られるということです。
遷移先がスマートフォンで崩れる、あるいはBtoBでPCからの申込が中心といった場合に、実績を見てから絞る余地があります。最初から絞らず、実績を見て判断するほうが、母数を落とさずに済みます(当社の見解)。
3. カスタムオーディエンス:包含は25,000人から
顧客リストをもとにしたオーディエンスを、包含・除外に使えます。
- 包含(インクルード)ターゲティングには、25,000人の一致ユーザーが必要
- 除外(エクスクルード)はより小さいオーディエンスでも使える
- オーディエンスのメンバーは、オーディエンスを作り直したりキャンペーンを設定し直したりせずに追加・削除・置換ができる
出典:Create Campaigns for ChatGPT Ads
25,000人という閾値は、中小規模の事業者には高いハードルです。 一方で除外には閾値の制約が緩いため、「既存顧客を除外して新規に寄せる」用途のほうが現実的に使える場面が多いと考えられます。
EEA・スイス向けの注意
For campaigns targeting the EEA or Switzerland, avoid custom audiences while ads personalization is unavailable there.
EEA(欧州経済領域)・スイス向けのキャンペーンでは、広告のパーソナライズが利用できない間はカスタムオーディエンスを避けるよう案内されています。欧州向けの配信を計画している場合に効きます。
4. コンテキストヒント:ターゲティングではなく「方向づけ」
広告グループ単位で、自社の商品・サービスが役に立ちそうな会話・トピック・キーワードを記述します。ただし公式の位置づけは明確です。
These hints help guide ad matching, but they are not exact-match keywords and do not guarantee delivery in specific conversations.
完全一致キーワードではなく、特定の会話への配信を保証しません。
広告の選択には、ヒントに加えて次が使われます。
- いまの会話の文脈と意図
- 広告の遷移先ページ
- 広告のタイトルと説明文
- 広告のパーソナライズが有効な場合、利用者の広範なChatGPT利用文脈からの一部の信号
遷移先ページと広告文が、配信先を決める材料そのものになっている点が重要です。ヒントだけを直して配信先が変わらない場合、広告文と遷移先を見直す必要があります。
ヒントの書き方はコンテキストヒントの作り方で手順化しています。
検索広告のキーワード・除外キーワードとの違いはコンテキストヒントとキーワードの違いで扱っています。
5. 広告主が制御できないもの
整理しておきます。
できないこと | 補足 |
|---|---|
特定の会話への配信指定 | ヒントは保証しない |
ChatGPTの回答内容への影響 | 広告は回答と分けて表示される |
有料プラン利用者への配信 | Plus・Pro・Business系には表示されない |
18歳未満への配信 | 表示されない |
ブランドセーフティ上除外される文脈への配信 | センシティブな文脈には出ない設計 |
表示対象の制限は母数の見積もりに直結します。 ChatGPT全体の利用者数を、そのまま到達可能な見込み顧客数として社内に説明しないでください。
表示されない条件と、広告主に渡る情報の範囲は表示対象とプライバシーの記事で整理しています。
この記事で確定できないこと
- 自社の商圏の市区町村・郵便番号が選択肢に出るかは、画面を見ないと分かりません。 対応状況は国によって異なると公式が書いているだけで、日本の粒度の一覧は公開されていません
- 新規アカウントのホーム国制限が自社に当たるかも、事前には分かりません。 公式は「一部の新規アカウント」としか書いていません
- ヒントがどの会話に当たるかは確認できません。 配信後の実績から推測するしかありません
このため、地域指定は「Ads Managerの画面で候補を検索して確かめる」ところまでが準備になります。
業種別の確認例(提案)
以下は当社の検証案です。
地域サービス(店舗・施工・教室)
- 商圏の市区町村・郵便番号が選択肢に出るかを、Ads Managerの画面で確認する
- 商品フィードは使わず、通常キャンペーンで組む
- 遷移先を「対応エリアが明記されたページ」にする。遷移先が配信の材料になるため、エリア情報を載せる意味がある
BtoB・SaaS
- プラットフォームは最初から絞らず、実績を見てDesktop webの比率を確認する
- 既存顧客リストを除外に使う(包含の25,000人は届かないことが多い)
- 公開事例では、クリックは取れても有望リードに結びつかなかった報告があります。ターゲティングより、クリック後の導線と計測の設計が効きます
越境EC・海外向け
- 新規アカウントのホーム国制限を前提に日程を引く
- 本人確認の承認と、日本国内での配信実績が先に要る
- 商品フィードを使う場合、地域指定は国単位
よくある質問
Q. 年齢や性別で絞れますか。 設定項目として案内されていません。
Q. 地域を指定しないとどうなりますか。 新規アカウントの場合、ホーム国に制限されている可能性があります。また、意図せず広い範囲に配信されるリスクがあるため、指定することを勧めます。
Q. ヒントを細かく書けば、狙った会話に出せますか。 出せません。公式が「保証しない」と明記しています。ヒントは方向づけで、広告文と遷移先も同じくらい配信に効きます。
Q. 一度設定した地域は変えられますか。 地域はキャンペーン設定で変更できます。変更できないのは目的・課金方式・コンバージョンイベントです。
まとめ
- 地域は国+州・市・マーケット・郵便番号まで指定できる(国により可否が異なる)
- ただし新規の商品フィードキャンペーンは国単位のみ
- 新規セルフサーブアカウントは当初ホーム国のみ。他国を選んでも上書きされない
- プラットフォームは5種。実績を見てから絞るのが安全
- カスタムオーディエンスの包含は25,000人の一致ユーザーが必要。除外のほうが使いやすい
- コンテキストヒントは完全一致でも配信保証でもない
自社の商圏・顧客条件でどこまで絞れるか確認したい場合は、対象エリアと現在の顧客リストの規模をお手元に用意のうえ20分の無料相談をご利用ください。
出典
- Create Campaigns for ChatGPT Ads(地域、プラットフォーム、カスタムオーディエンス、ホーム国制限)
- Ads in ChatGPT: The Basics(コンテキストヒント、表示対象、ブランドセーフティ)
いずれも2026年9月19日に本文を確認しています。この領域は更新が続いているため、出稿前にAds Managerの画面でも確認してください。
変更履歴
日付 | 内容 |
|---|---|
2026年9月19日 | 初版。公式ヘルプ(Create Campaigns/Basics)を本文確認 |
次回確認予定:2026年9月26日。 公式ヘルプは日単位で更新されるため、週1回の定点確認に合わせて見直します。