CHATGPT ADS GUIDE 11 / EC・商品フィード

2026年9月最新版

ChatGPT広告のEC事例|商品フィードとセール施策から学ぶ設計

ChatGPT広告で公開されているEC事例のなかで、売上に対する成果まで公表されている数少ない例が、海外のPCパーツ・家電EC事業者のものです。

掲載事例は他社の公開情報に基づくもので、当社の運用実績ではありません。事例からの示唆・検証案は、株式会社Ikigaiの見解です。

この記事の要点

  1. 公開事例は2本立て。 商品フィードの常設配信と、セール期間のCPCキャンペーンを同時に走らせている。
  2. 報告値は全体ROAS3倍、セール期間7倍。 広告費・購入件数・帰属期間が非開示のため、目標値には使えない。
  3. 日本のECで先に効くのは地域指定。 新規の商品フィードキャンペーンは国単位のみで、配送圏を絞れない。

読んでほしい人:商品を比較して買われるECで、ChatGPT広告を試すか検討している担当者。
この記事で扱わないこと:商品フィードの実装手順と、EC以外の業種の事例。後者は国内・海外の事例7件で扱います。

事例の概要(公表されている事実)

報告されている数字は、28日間のキャンペーン全体でROAS3倍、2週間のセール施策でROAS7倍。広告費・購入件数・帰属期間は非開示です。

この記事では、この事例で何をしたのかを施策ごとに分け、日本のECが試すとしたら何を準備するかを整理します。数字を目標値として扱うのではなく、施策の組み合わせ方を読むための記事です。

項目

内容

事業者

PCパーツ・家電EC事業者M(海外)

期間

全体28日間/セール施策は2週間

施策

商品フィードを使う常設広告と、セール期間に合わせたCPCキャンペーンの組み合わせ

公表された結果

全体ROAS3倍、セール期間ROAS7倍

非開示

広告費、購入件数、帰属期間(アトリビューション窓)

読み取れることと読み取れないことを先に分けます。

読み取れること:

  • 商品フィードを使う常設の配信と、期間を区切った販促を同時に走らせている
  • セール期間のほうが、広告費に対する売上比率が高い

読み取れないこと:

  • 投下した広告費の規模。同じ比率でも、金額が10倍違えば意味が変わります
  • 購入件数。客単価の高い商材のため、少数の購入でROASが動く可能性があります
  • 帰属期間。クリックスルーの計測窓が7日か30日かで、同じ配信でも数字が変わります

ROASは広告費に対する広告経由売上の比率です。3倍・7倍という数字を自社の目標値に置くことは勧めません。 条件が公開されていないため、再現できるかを判断する材料がありません。

図1:常設の商品フィード配信と、期間限定のCPCキャンペーン。公開事例をもとに作成。
図1:常設の商品フィード配信と、期間限定のCPCキャンペーン。公開事例をもとに作成。

施策1:商品フィードを使う常設の配信

ECでChatGPT広告を使う場合、商品を1つずつ広告として作るのではなく、商品フィードを登録して、条件に合う商品をOpenAI側に選ばせる方法があります。

フィードで更新するのは、タイトル、説明、価格、在庫、画像、遷移先です。これを維持しておくと、個別広告を手作業で量産せずに済みます。

Shopifyのストアで公式アプリを使う場合の準備はShopifyの記事で扱っています。

日本で使うときの制約(2026年9月時点)

ここは最近変わった部分なので、古い資料の記述に注意してください。

  • 新規の商品フィードキャンペーンは、地域指定と除外が国単位のみです
  • 既存の商品フィードキャンペーンに設定されていた州・市などの下位地域指定はそのまま残りますが、新たに下位地域を追加することはできません
  • 商品フィードを使わない通常のキャンペーンでは、国に加えて州・地域・市・マーケット・郵便番号を指定できます(国により可否が異なる)

出典:Create Campaigns for ChatGPT Ads

送料や配送圏で商圏が決まるECは、ここを先に確認してください。 「関東だけに配信したい」という設計は、商品フィードキャンペーンでは組めません。

レポートの見え方

商品フィードキャンペーンでは、Ads Managerの「Products」タブで商品別の実績を見られます。ただし公式は、これはフィードの全在庫一覧ではなく、実績に基づくレポートビューだと書いています。配信が発生して実績が出た商品から表示されます。

フィードが正しく読めているかを事前に確認したい場合は、広告グループ設定時に表示される商品数を見ます。

施策2:セール期間に合わせたCPCキャンペーン

常設のフィード配信とは別に、セール期間に合わせてクリック課金のキャンペーンを走らせています。役割が違う2本を同時に持っているのがこの事例の構造です。

常設のフィード配信

セール期間のCPC

目的

商品を探している会話に、在庫から当てる

期間限定の訴求を届ける

更新の手間

フィードを保つだけ

期間ごとに作る

訴求

商品情報そのもの

値引き・期間の限定

期間限定キャンペーンで効く仕様

期間を区切る配信では、予算の消化ペースが結果を左右します。ChatGPT広告の日予算には次の挙動があります。

  • 日予算は7日間の平均。1日の消化上限は日予算の2倍、7日間の上限は7倍
  • 予算週は、広告アカウントのタイムゾーンで日曜から土曜
  • 週の枠を早く使い切ると、キャンペーンが「有効」の表示のまま、次の予算週まで配信が止まり得る

出典:Daily Budgets

セールが週をまたぐ場合、ここが事故になります。 例えば金曜から始まるセールで初日に上限近く使うと、土曜で週が終わり、日曜からの残りのセール期間に予算週がリセットされます。逆に、水曜開始のセールで前半に走りすぎると、週末の山を迎える前に止まり得ます。

キャンペーン総額の予算(Campaign-total budget)を使うと総支出の管理は厳密になりますが、日予算からキャンペーン総額へ戻すことはできません。作成時に選びます。

公開されている国内の配信例では、広告支援会社Cが1万円の予算を約7時間で、広告支援会社Dが10万円を短時間で消化したと報告しています。期間で区切ったつもりが、実際には数時間で終わっていることがあります。

日本のECが試すとしたら(提案)

ここからは事実ではなく、当社の検証案です。

準備1:商圏と地域指定の噛み合わせを先に確認する

全国配送のECであれば、商品フィードキャンペーンの国単位指定で問題ありません。配送圏が限られるECは、商品フィードではなく通常キャンペーンで地域を絞る設計を検討します。

準備2:計測の成果地点をorder_createdに揃える

Ads Managerの「Order Created Sales」と「Order Created ROAS」の列は、order_createdイベントに紐づいた分のみから算出されます。他の標準イベントやカスタムイベントはこの列に寄与しません。出典:Measure Results

売上とROASを見たいなら、購入完了でorder_createdを送る必要があります。ここが別のイベント名になっていると、売上の列が空のまま配信が進みます。

Shopify、ヘッドレス構成、サーバーサイドで購入イベントを送る場合は、ブラウザPixelとConversions APIを役割分担させます。サーバー側で送るときは、クリック参照値opprefを保持して送ると正しく紐づきます。

なお2026年9月16日に、米国のShopifyマーチャント向けにChatGPT AdsのShopifyアプリが公開されました。ChatGPT Adsが利用可能な市場へ2026年9月23日から国際展開とされています。日本が対象に含まれるかは、本記事の確認時点では未確認です。出典:Reimagining advertising with AI

準備3:計測窓を先に決めて固定する

EC、特に検討期間のある商材では、クリックスルーの計測窓を7日にするか30日にするかで見える数字が変わります。

  • クリックスルー:7日/14日/30日
  • ビュースルー:0日(無効)/1日

窓の変更はレポートにだけ効き、最適化・入札・課金には影響しません。社内で比較する前に揃えておきます。

準備4:セールの日程を予算週に合わせる

予算週は日曜から土曜です。セール期間と予算週のズレを図に書いてから日予算を決めることを勧めます。週をまたぐ場合は、前半に走りすぎないよう日予算を抑えるか、キャンペーンを週ごとに分ける方法があります。

よくある質問

Q. ROAS3倍は狙える数字ですか。 判断できません。広告費・購入件数・帰属期間が非開示で、条件が分からないためです。自社の目標は、自社の粗利と許容獲得単価から決めてください。

Q. 商品フィードは必須ですか。 必須ではありません。少数の主力商品に絞るなら通常のキャンペーンでも組めます。配送圏を絞りたいECは、むしろ通常キャンペーンのほうが設計しやすい場合があります。

Q. セール前に予算を増やせば取り戻せますか。 日中に日予算を変更した日は、その日に有効だった最も高い金額の2倍がその日の上限になります。ただし週の途中で変更すると、7日間の上限は変更時点から次の日曜0時までで日割り計算されます。週の後半で増額しても、その週に使える額は思ったほど増えません。

まとめ

  • 公開事例は、常設のフィード配信と期間限定のCPCを同時に持つ構造
  • 報告値はROAS3倍・セール期間7倍。広告費・購入件数・帰属期間が非開示のため、目標値には使えない
  • 新規の商品フィードキャンペーンは国単位の地域指定のみ。配送圏が限られるECは設計を変える
  • 売上・ROASの列はorder_createdからのみ算出される
  • 予算週は日曜から土曜。セール日程と予算週のズレが事故になる

自社の商品構成と配送圏で、どの形が組めるか整理したい場合は、商品ページと現在のフィード状況をお手元に用意のうえ20分の無料相談をご利用ください。

国内・海外の事例7件をまとめて読む

出典

いずれも2026年9月19日に本文を確認しています。

変更履歴

日付

内容

2026年9月19日

初版。公式ヘルプ(Create Campaigns/Daily Budgets/Measure Results)と2026年9月16日の公式発表を本文確認

次回確認予定:2026年9月26日。 公式ヘルプは日単位で更新されるため、週1回の定点確認に合わせて見直します。

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