この記事の要点
- 検索キーワードは「入力された語句」に広告を合わせる指定です。コンテキストヒントは「商品が役立つ場面」を伝える補足情報で、配信先を決める材料の1つにすぎません。 完全一致の指定、語句単位の除外(除外キーワード)、キーワード単位の入札、検索語句のレポートはありません。
- 検索広告の資産は、置き換えて使います。 キーワードリストは相談場面のリストに、除外キーワードは広告文とLPでの対象の明示に、検索語句レポートはクリック後の行動と成果の検証に置き換えます。
- 「文章で書けば成果が上がる」とは限りません。 公開テストでは、キーワード型のヒントの方がCTRが高かった例も、具体的な状況を書いた方が高かった例もあります。当社は、形式より具体性が大事だと考えています。
読んでほしい人:Google広告などの検索広告を運用していて、ChatGPT広告のヒントをどう考えればよいか迷っている広告担当者。
この記事で扱わないこと:ヒントの書き方の手順はコンテキストヒントの作り方、地域やプラットフォームの指定はターゲティングの記事で扱います。
仕組みの違いを一覧で比べる
項目 | 検索広告のキーワード | ChatGPT広告のコンテキストヒント |
|---|---|---|
何に合わせるか | 利用者が入力した検索語句 | 会話の文脈と意図。ヒントはその判断を助ける補足 |
一致の指定 | 完全一致・フレーズ一致などを選べる | 完全一致のキーワードではない。ヒントと同じ言葉が会話に出ている必要もない |
除外 | 除外キーワードで出したくない語句を外せる | 語句単位の除外はない。ヒントでは除外・地域・時間帯を強制できない(地域の除外とカスタムオーディエンスの除外はキャンペーンの設定で可能) |
入札の単位 | キーワードごとに入札を調整できる | 広告グループ単位の入札(新規の広告グループでは自動の「成果を最大化」が既定) |
配信を決める材料 | 主に検索語句と入札、広告の品質 | 会話の文脈、LP、タイトル、説明文、ヒント、ターゲティングの設定、入札、(パーソナライズが有効な場合)ChatGPTの利用状況にもとづく一部の情報 |
レポート | どの検索語句で表示されたかを確認できる | 会話の内容は広告主に共有されない。指標は広告単位の表示・クリックなど |
保証 | 語句と一致すれば表示の対象になる | 特定の会話への表示を保証しない |
コンテキストヒントとは何か
公式ヘルプは、コンテキストヒントを「広告やLPだけでは伝わりにくい、商品・サービスの追加情報」と説明しています。広告グループの単位で設定し、システムが広告の関連性を判断するのを助けます。書く内容は次の3つです。
観点 | 書くこと | 公式の例(当社が観点別に振り分け) |
|---|---|---|
何を(What) | 商品の特徴、サービス内容、価格、提供状況、対応地域 | 都市名を入れた夜間の住宅向け配管修理と、緊急修理の出張料89ドル |
誰に(Who) | どんな必要・好み・状況の人に向くか | 初めて5kmを走る初心者向けのクッション性のあるランニングシューズ |
いつ(When) | どんな状況・判断の場面で役立つか | 店舗とオンラインの売上を照合したい、成長中の小売業向けの会計ソフト |
公式は、ばらばらのキーワードを並べるのではなく、1つのことに焦点を当てた自然な言葉で書くよう勧めています。1つのヒントに3つすべてを入れる必要はありません。当社の作り方の記事では、この3つの観点を「悩み・用途・比較基準・検討段階」から書き出す手順を示しています。
また、公式は「ある顧客層に届けたいというだけでは、自社の商品がその人に関連することにはならない」とも書いています。ヒントは届けたい相手を指定するものではなく、商品が実際に役立つ場面を説明するものです。
運用で変わる3つのこと
1. 除外キーワードの代わりに、広告文とLPで対象を示す
検索広告では、除外キーワードで無関係な検索を外せます。ChatGPT広告のヒントは配信の指示ではないため、「◯◯には出さない」と書いても除外にはなりません。公式ヘルプは、「シカゴの人にだけ表示する」は配信の指示であり、ヒントとして書くものではない、という例を挙げています。
実際に、SaaS支援の代理店AAは、広告主企業の社員や競合他社の社員、自分で解決したい人などを除外する内容をヒントに書いたと報告しています(出典を確認)。公式の説明に沿えば、これで除外が保証されるわけではありません。
対象を絞りたいときは、次の方法を組み合わせます。
- 地域・プラットフォームは、キャンペーンの設定で指定する(地域は除外もできる)
- 既存顧客など除外したい人のリストがあれば、カスタムオーディエンスの除外を使う
- 広告のタイトルや説明文で「誰向けか」をはっきり書く。米国のB2B支援会社A(前出のAAとは別の会社)も、「B2Bの製造業向けマーケティング」のように対象を書くと、クリック前に関係があるかを判断してもらえると書いています(B2Bでの使い方はB2B事例の記事)
- LPの1画面目で対象と条件を示す
2. キーワード別の入札の代わりに、広告グループの分け方で調整する
ChatGPT広告の入札は広告グループの単位です。検索広告のように、語句ごとに入札を上げ下げすることはできません。
そのため、入札を変えたい単位で広告グループを分けることになります。公式も、メッセージやLPが違う使いみちは広告グループを分けるよう勧めています。例えば「緊急の修理」と「定期点検」は、同じ事業でも別の広告グループにします。
3. 検索語句レポートの代わりに、クリック後の行動で検証する
ChatGPT広告では、会話の内容は広告主に共有されません。広告主が受け取るのは、表示やクリックなどの集計値です。どんな会話で表示されたかを1件ずつ確認することはできません。
検証は次の方法で行います。
- 広告グループ(=相談場面)ごとの表示・クリック・成果を比べる
- LPでの行動(スクロール、フォームの開始)を分析ツールで見る
- 問い合わせの内容や営業のヒアリングから、どんな相談をしていた人かを確かめる
検索広告の資産をどう移すか
検索広告で作ってきたものは、そのまま貼り付けるのではなく、形を変えて使います。
検索広告の資産 | ChatGPT広告での使い方(当社の提案) |
|---|---|
キーワードリスト | 語句を「どんな必要・状況から出た検索か」でまとめ、相談場面のリストにする |
除外キーワード | 出したくない相手を広告文・LPで明示する。地域などは設定で指定する |
検索語句レポート | 相談場面の候補を見つける材料にする(よく出る疑問、比較の軸) |
成果の良いキーワード | 成果が出ている必要・状況を、ヒントと広告文に書き直す |
キーワード別の入札 | 入札を変えたい単位で広告グループを分ける |
書き換えの例
公式の例をもとにした書き換えです(キーワードは当社の作例)。
検索広告のキーワード | コンテキストヒント(公式の例) |
|---|---|
会計ソフト 比較/会計ソフト 小売/会計ソフト 店舗 通販 | 店舗とオンラインの売上を照合したい、成長中の小売業向けの会計ソフト |
水漏れ 修理 夜間/水道業者 緊急 | 都市名を入れた、夜間の住宅向け配管修理。緊急修理の出張料は89ドル |
語句を並べるより、その語句で検索する人がどんな状況にいるかを1つの文にまとめるのが基本です。
公開事例に見る違い
利用者の問いかけは「検索語句」より「作業の依頼」に近い
開発者向けAPI企業Qは、開発者がAIアシスタントに持ち込む問いは、従来の検索語句より「作業の指示書」に近いと説明しています。例えば「アプリにチャットを追加するには」「特定の用途に使えるリアルタイムの通信基盤は」といった問いです。同社はこの問いに寄せた広告文を用意しました(出典を確認)。
ドイツの太陽光・電力サービスXを担当した代理店も、ChatGPT広告は検索広告のように検索語句を割り当てる仕組みではないため、「業者選び」「採算計算」「法制度の理解」の3つの場面を分けて設定したと説明しています(出典を確認)。
形式より具体性
ヒントを会話調で書くか、キーワード調で書くかについては、公開テストの結果が分かれています。
事例 | 比較した内容 | 結果 |
|---|---|---|
B2B支援会社A(米国) | キーワード型のヒントと、会話型のヒント | CTRはキーワード型1.2%、会話型0.9% |
個人サービスE(国内、消費者向けサービス1アカウントの初動) | 具体的な会話の状況を入れたヒントと、語句だけのヒント | CTRは状況を入れた型1.36%、語句だけ0.77% |
どちらも1社・1回の配信の中での比較で、条件をそろえた比較試験ではありません。当社がこの2件から読み取るのは、「会話調にすれば勝つ」でも「キーワード調にすれば勝つ」でもなく、商品が役立つ場面を具体的に書くことが大事だという点です。公式が「具体的に」「追加の情報を」と書いていることとも一致します。
この記事で分からないこと
- ヒントが配信先の判断にどれくらいの重みで使われるか。 公式は材料の1つと説明していますが、重みは公開されていません
- どんな会話で表示されたか。 会話の内容は広告主に共有されません
- ヒントの数や長さの最適な値。 公式に数の基準はありません
移行ワークシート
検索広告のアカウントから、広告グループごとに1枚作ります。
項目 | 記入欄 |
|---|---|
元になる検索キーワードのまとまり | |
その語句で検索する人の状況(文で) | |
ヒント(何を) | |
ヒント(誰に) | |
ヒント(いつ) | |
対象を示す広告文の言葉 | |
LPの1画面目で示す対象と条件 | |
除外したい相手と、その代わりの方法 |
よくある質問
Q. ヒントにキーワードを書いてはいけないのですか。 いけないわけではありません。公式の基本説明には、ヒントで会話・トピック・キーワードを記述できると書かれています。ただし書き方のガイドは、ばらばらのキーワードを並べるより、1つのことに焦点を当てた自然な言葉で書くよう勧めています。
Q. 除外キーワードのような機能はありますか。 語句単位の除外キーワードはなく、ヒントでも除外はできないと公式に書かれています。地域の除外や、顧客リストを使ったカスタムオーディエンスの除外はキャンペーンの設定でできます。それ以外の相手には、広告文とLPで対象を明示して、クリック前に判断してもらう方法をとります。
Q. どんな会話で広告が表示されたかを見られますか。 見られません。会話の内容は広告主に共有されず、受け取るのは表示・クリックなどの集計値です。広告グループを相談場面ごとに分け、グループ単位の成果で検証します。
Q. 競合他社の名前をヒントに書いてもよいですか。 公式に明記はありません。ヒントより先に、広告文やLPで他社名を使えるかを確認してください。公開事例には競合との比較の会話を想定した例がありますが、広告ポリシーは、広告主が使えるのは自社が所有するか使用の許諾を得た商標だけだと定めています。他社名を広告文やLPに入れる前に、許諾の有無を確認してください。書く場合も、自社の商品が実際に比較の対象になり得る場面に限ります。
Q. ヒントを変えれば、配信先はすぐ変わりますか。 すぐ変わるとは限りません。ヒントは材料の1つで、LPや広告文も配信先の判断に使われます。ヒントだけを変えても変わらないことがあるため、相談場面を変えるときは、広告文とLPも合わせて変えます。
まとめ
- 検索キーワードは入力語句への指定。コンテキストヒントは商品が役立つ場面の補足情報
- 完全一致・除外キーワード・キーワード別入札・検索語句レポートはない
- 除外はキャンペーンの設定(地域・カスタムオーディエンス)と広告文・LPでの明示、入札の調整は広告グループの分け方、検証はクリック後の行動で行う
- キーワードリストは「その語句で検索する人の状況」にまとめ直して使う
- 会話調かキーワード調かより、具体性が大事
検索広告のキーワード資産を、ChatGPT広告の相談場面とヒントに置き換える作業を一緒に進めたい場合は、既存のキーワードリストと検索語句レポートをお手元に用意のうえ20分の無料相談をご利用ください。
出典
- Write Context Hints for ChatGPT Ads(What・Who・When、例、配信の指示ではないこと)
- Create Ad Groups for ChatGPT Ads(広告グループの分け方)
- Ads in ChatGPT: The Basics(配信を決める材料、完全一致ではないこと、入札の単位)
- Ads in ChatGPT(会話を広告主に共有しないこと)
- Maximize Results Bid Strategy(自動入札)
- OpenAI Ads Policies(商標・誤認)
- 事例:開発者向けAPI企業Q、太陽光・電力サービスX、SaaS支援の代理店AA、B2B支援会社A、個人サービスE
いずれも2026年9月25日に本文を確認しています。事例の数値は各社が公表した条件での結果です。
変更履歴
日付 | 内容 |
|---|---|
2026年9月25日 | 初版。公式ヘルプ5本・広告ポリシーと公開事例5件を本文確認 |
次回確認予定:2026年9月28日。 ヒントの書き方のガイドの更新を確認します。