この記事の要点
- OpenAIの公式連携で、HubSpotからChatGPT広告を扱えます。 アカウントの接続、キャンペーンの作成、成果の確認ができ、成果は表示・クリックに加えて「コンタクト」「顧客」の単位でも見られます。対象はHubSpot Marketing HubのFree・Starter・Professional・Enterpriseで、ChatGPT広告が提供されている地域です。
- 接続には、HubSpot側の権限と広告アカウントの管理権限が要ります。 広告アカウントを持つ組織がChatGPT Business/Enterpriseなら、OpenAIの組織管理者(グローバル管理者)の承認が加わります。承認は初期状態でオフです。
- 当社は、この連携を、問い合わせ単価から受注単価へ評価を進めるための道具と考えています。 広告の管理画面とHubSpotでは数え方が違うため、段階ごとにどちらの数字で判断するかを先に決めます。
読んでほしい人:HubSpotで顧客・リードを管理していて、ChatGPT広告の成果を商談・受注まで追いたい広告担当者・マーケティング運用担当者。
この記事で扱わないこと:PixelやGA4を使った計測全般は効果測定の記事、社内と代理店の役割分担は自社運用と代理店の分担の記事で扱います。
連携でできること
OpenAIは2026年9月16日、HubSpotを最初のCRMパートナーとして発表しました。ヘルプセンターの説明では、連携すると次のことができます。
できること | 内容 |
|---|---|
アカウントの接続 | HubSpotからChatGPT広告のアカウントに接続する(アカウントがなければ作成の流れに進む) |
キャンペーンの作成 | HubSpotの広告機能で「ChatGPT Chat Card」を選び、広告・対象・予算と日程を入力して公開する |
リードの取り込み | 新しいリードをCRMに直接追加し、フォローのワークフローを動かす |
成果の確認 | キャンペーン・広告グループ・広告ごとに、表示回数・クリック・コンタクト・顧客・費用を見る |
他の媒体との比較 | 「Analyze」タブで、他の広告媒体と並べて比べる |
OpenAIのHubSpot連携ヘルプでは、HubSpot側で「コンタクト」「顧客」という単位の成果が表示されると説明されています。その数え方はヘルプに書かれておらず、広告の管理画面で見える成果(Pixelなどで送る成果イベント)と一致する保証はない点を押さえておきます。
前提条件
項目 | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|
対象地域 | ChatGPT広告が提供されている地域の、すべてのHubSpot利用者 |
HubSpotの契約 | Marketing HubのFree・Starter・Professional・Enterprise |
HubSpotの権限 | 広告アカウントを接続し、キャンペーンを作成する権限 |
ChatGPT広告の権限 | Ads Managerのアカウントを管理する権限(アカウントがない場合は作成に必要な情報) |
OpenAIの組織の承認 | 広告アカウントを持つ組織がChatGPT Business/Enterpriseの場合、グローバル管理者がOpenAIの管理コンソールでHubSpotの広告アクセスを承認する。初期状態はオフ |
日本はAds Managerの提供国です。ただし、日本のHubSpotアカウントで接続からキャンペーンの公開まで完了するかは、公開情報からは確認できません。
なお、ここでのChatGPT Business/Enterpriseは、広告を管理する側の組織の契約です。広告が表示される利用者のプラン(Free・Goに表示、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduには表示されない)とは別の話です。
最大3つの権限を整理する
権限 | どこで付与するか | 社内で持っていそうな人(例) |
|---|---|---|
HubSpotで広告アカウントを接続・キャンペーンを作成する権限 | HubSpotのユーザー権限 | マーケティング部門のHubSpot管理者 |
ChatGPT広告アカウントを管理する権限 | 広告アカウントごとに付与する役割。管理する権限が必要(閲覧者は書き込みができない) | 広告運用の担当者 |
HubSpotの広告アクセスを組織として承認する権限 | OpenAIの管理コンソール(グローバル管理者) | 情報システム部門など、ChatGPT Business/Enterpriseを管理する人 |
公式ヘルプは、組織の承認と、利用者本人の認可は別だと明記しています。組織が承認しても、接続する人は求められる権限を確認し、自分の広告アカウントの権限で認可します。また、広告アカウントの管理者やHubSpotの管理者であっても、自動的にOpenAIのグローバル管理者になるわけではありません。
ChatGPTのワークスペースでの役割も、広告の権限にはなりません。広告の役割は広告アカウントごとに付与します。
2026年9月24日の「外部アクセス管理」とは
ChatGPT Businessのリリースノート(2026年9月24日)は、組織のグローバル管理者が、外部のアプリケーションからChatGPT広告へのアクセスを許可するかを管理できるようになったと告知しています。設定場所は管理コンソールの「External access」で、管理者向けのプレビュー期間中は初期状態がオフです。利用者は引き続き自分の権限で認可する必要があります。
これは外部アプリからのアクセスの管理であり、広告の配信を止める仕組みではありません。OpenAIのHubSpot連携ヘルプにある「組織の承認」は、この管理コンソールの設定で行うものと考えられます(ヘルプは管理コンソールの案内ページへリンクしています)。
HubSpotで広告アカウントが「Restricted(制限)」と表示される場合、公式ヘルプは次の順で確認するよう案内しています。
- 広告アカウントを持つ組織のグローバル管理者に、HubSpotの広告アクセスが有効か確認してもらう
- 組織が承認済みでも制限が続く場合は、広告アカウントの管理者に連絡する
- HubSpotに戻り、接続をやり直す
接続とキャンペーン作成の流れ(公式ヘルプの記載)
接続
- HubSpotで「Settings」を開く
- 「Tools」で「Marketing」→「Ads」を選ぶ
- 「Connect account」を選び、広告媒体の一覧から「ChatGPT Ads」を選ぶ
- 既存のChatGPT広告アカウントにサインインするか、アカウントを作成し、認可の流れに進む
- 求められる権限を確認し、「Connect account」で完了する
キャンペーンの作成
- 「Marketing」→「Ads」を開き、「Create」→「Ad Campaign」を選ぶ
- 「ChatGPT Chat Card」とアカウントを選ぶ
- 「Ad」「Targeting」「Budget & Schedule」の各タブを入力する
- 内容を確認して「Publish」する
HubSpotから作ったキャンペーンも、ChatGPT広告の審査を経て配信されると考えられます。広告ポリシーや審査が省略されるという記載はありません。
受注まで追うための設計(当社の提案)
連携の価値は、広告の成果をコンタクト・顧客の単位で見られる点にあります。問い合わせ単価と顧客獲得単価で、媒体の優劣が逆になった公開例もあります(B2B事例の記事)。問い合わせ数だけで判断しないために、次を決めておきます。
1. 段階の定義をHubSpotで決める
段階 | HubSpotで見る場所の例 | 判断に使う指標 |
|---|---|---|
リード | 新規コンタクト | コンタクト単価 |
有効リード | ライフサイクルステージ(MQL・SQLなど、自社の定義) | 有効リード率 |
商談 | 取引(ディール) | 商談化率 |
受注 | 顧客・取引の成立 | 顧客獲得単価 |
2. どちらの数字で判断するかを決める
判断すること | 使う数字 |
|---|---|
広告の配信・クリックの状況 | ChatGPT広告の管理画面 |
入札・最適化に使われる成果 | ChatGPT広告の管理画面(Pixel・Conversions APIの成果イベント) |
有効なリード・商談・受注 | HubSpot |
2つの画面の数字は一致しない前提で運用します。OpenAIは一般に、帰属の方法と期間、イベントの時刻とタイムゾーン、同意や保存の条件、重複の除き方、推計による成果の扱いの違いで、他のツールと数字がずれると説明しています。
3. フォローの流れを相談の段階に合わせる
ChatGPT広告は、情報を集めている段階の人にも表示されます。すぐに商談にならないリードには、資料や事例のメールなど、HubSpotのワークフローで段階に合わせたフォローを用意すると、広告で得たリードを無駄にしにくくなります。
4. 判定日を営業期間に合わせる
受注まで数か月かかる商材では、30日時点では顧客の数がほとんど出ません。30日時点で判断するのは有効リード率までとし、受注は営業期間に合わせて別の日に判断します。
接続できないとき
公式ヘルプの確認項目です。
- 正しいChatGPT広告アカウントにサインインし、管理する権限があるか
- HubSpotで広告アカウントを接続する権限と、広告機能へのアクセスがあるか
- ChatGPT Business/Enterpriseの組織の場合、グローバル管理者がHubSpotの広告アクセスを有効にしているか
- 権限が正しいのに失敗する場合は、接続を解除して再接続する
- それでも解決しない場合は、HubSpotのサポートに、HubSpotのアカウントと接続しようとしているChatGPT広告アカウントを伝えて問い合わせる
連携を解除するとき
HubSpotの「Settings」→「Integrations」→「Connected Apps」から「ChatGPT Ads」をアンインストールします。公式ヘルプによると、解除してもAds Managerのアカウントや既存のキャンペーンは削除されません。ただし、接続を解除したHubSpotアカウントに依存して動くキャンペーンは、更新されなくなる可能性があります。
この記事で分からないこと
- HubSpotが「コンタクト」「顧客」をChatGPT広告に帰属させる方法の詳細。 OpenAIのヘルプには書かれていません。HubSpot側の仕様を確認する必要があります
- 日本のHubSpotアカウントでの動作。 公開情報からは確認できず、当社もこの連携を接続・操作していません
- HubSpotから作るキャンペーンで使える設定の範囲。 Ads Managerで作る場合と同じ項目が使えるかは、公式ヘルプに記載がありません
連携前チェックリスト
- [ ] HubSpot Marketing Hubの契約と、広告接続の権限がある
- [ ] ChatGPT広告アカウントの管理権限がある(またはアカウント作成の情報がそろっている)
- [ ] 広告アカウントの組織がChatGPT Business/Enterpriseか確認した。該当する場合、グローバル管理者に承認を依頼した
- [ ] リード・有効リード・商談・受注の定義をHubSpotで決めた
- [ ] どの判断にどちらの画面の数字を使うかを決めた
- [ ] 情報収集段階のリード向けのフォローを用意した
- [ ] 受注の判定日を営業期間に合わせて設定した
よくある質問
Q. HubSpotの無料版でも使えますか。 対象に含まれています。公式ヘルプは、対象としてMarketing HubのFree・Starter・Professional・Enterpriseを挙げています。
Q. 情報システム部門の承認は必ず必要ですか。 広告アカウントを持つ組織がChatGPT Business/Enterpriseの場合は、グローバル管理者による承認が必要です。初期状態はオフのため、事前に依頼しておきます。それ以外の組織での承認の要否について、公式ヘルプに記載はありません。
Q. 9月24日の変更で、広告の配信が止まることはありますか。 いいえ。リリースノートの内容は、外部アプリからChatGPT広告へのアクセスを組織が管理できるようにしたもので、配信を止める仕組みではありません。ただし、HubSpotなど外部アプリとの接続には承認が必要になる場合があります。
Q. 連携を解除すると、キャンペーンは消えますか。 公式ヘルプによると、Ads Managerのアカウントと既存のキャンペーンは削除されません。ただし、HubSpotアカウントに依存して動くキャンペーンは更新されなくなる可能性があります。
Q. 管理画面の成果数とHubSpotのコンタクト数が合いません。 数え方が違うため、一致しない前提で運用します。広告の最適化の判断は管理画面、有効リードや受注の判断はHubSpot、と使い分けを決めておくと混乱しにくくなります。
まとめ
- 公式連携で、HubSpotからChatGPT広告の接続・作成・成果確認ができ、コンタクト・顧客の単位で成果を見られる
- 接続には、HubSpotの権限と広告アカウントの権限が要る。Business/Enterpriseの組織なら、グローバル管理者の承認が加わる
- 9月24日の外部アクセス管理は、外部アプリのアクセスを組織が管理する仕組みで、配信停止ではない
- 段階の定義と、どちらの数字で判断するかを先に決め、受注の判定日は営業期間に合わせる
HubSpotでのリードの段階の定義と、どの数字で判断するかを整理したい場合は、HubSpotのライフサイクルステージの定義と既存媒体の商談データをお手元に用意のうえ20分の無料相談をご利用ください。
出典
- Setting up ChatGPT Ads in HubSpot(できること、前提条件、組織の承認、手順、解除、トラブル対応)
- ChatGPT Business release notes(2026年9月24日)(外部アクセス管理)
- Managing identity and access for Ads Manager(広告アカウントの役割、ワークスペースの役割との違い)
- Reimagining advertising with AI(HubSpotを最初のCRMパートナーとした発表)
- Conversion Measurement(他のツールと数字がずれる理由)
- 事例:米国の広告支援会社V
- Ads Manager Availability(提供国)
いずれも2026年9月25日に本文を確認しています。HubSpotの連携ヘルプは2026年9月25日時点の版を確認しています。
変更履歴
日付 | 内容 |
|---|---|
2026年9月25日 | 初版。公式ヘルプ3本、リリースノート、公式発表を本文確認 |
次回確認予定:2026年9月28日。 HubSpot連携のヘルプと、外部アクセス管理のプレビュー状況を確認します。