CHATGPT ADS GUIDE 34 / 入札戦略

2026年10月最新版

ChatGPT広告の入札戦略|「成果を最大化」と上限入札・Bid Capの使い分け

ChatGPT広告の入札は、自動の「成果を最大化」、手動の上限入札(CPC・CPM)、成果最適化のBid Capから選びます。

本記事は、OpenAIの公式ヘルプと開発者向けドキュメント(2026年10月7日取得の本文)に基づいています。当社の運用で確かめた画面の表示にも触れますが、成果や単価の数字は載せていません。入札方法の選び方と初期値の考え方は株式会社Ikigaiの見解です。

この記事の要点

  1. 入札は広告グループごとに、自動の「成果を最大化」か、手動の上限入札から選びます。 手動は、目的がクリックなら上限CPC、Viewsなら上限CPM、成果最適化ならBid Cap(成果1件に払ってよい入札の上限)です。どれを選んでも、実際に払う額はオークションで決まります。
  2. 予算の種類との組み合わせに制約があります。 開発者向けドキュメントでは、「成果を最大化」は日予算のキャンペーンでだけ使え、オーディエンスの入札調整も使えません。総額予算で管理するなら手動の入札です。
  3. ヘルプが示す推奨の初期値は、目的がクリックのキャンペーンの上限CPCで1クリック3〜5米ドルだけです。 Bid Capは「現時点で推奨の入札額はない」とされ、上限CPMと円建ての推奨値も示されていません。入札を変えるのは、停止や審査などの妨げがないことを確かめ、件数がたまってからにします。

読んでほしい人:ChatGPT広告のキャンペーンを作る前に入札方法を決めたい広告担当者、配信や単価を入札で調整したい運用担当者。
この記事で扱わないこと:予算の総額と検証期間の決め方は費用の記事、配信されないときの確認順は配信されないときの記事で扱います。

入札の仕組みと、選べる3つの方法

ChatGPT広告は、関連性で重みづけした第二価格オークション(一般に、自社の入札額そのものではなく、次点の競合の入札をもとに支払う額が決まる方式)で、表示する広告を選びます。利用者向けのヘルプも、複数の広告が対象になるときは、関連性や広告主の入札などを組み合わせて順番を決めると説明しています。入札額だけでなく、会話との関連性も配信量に効きます。

入札は広告グループの単位で設定します。キーワードごとの入札はないため、入札を変えたい単位で広告グループを分けます(ヒントとキーワードの違いの記事)。選べる方法は次の3つです。

方法

入札額の決め方

公式の説明の要点

成果を最大化(Maximize results)

OpenAIが予算の範囲で自動で調整

選んだ目的(クリックや成果)の件数をできるだけ増やす。対象の新しい広告グループでは既定。CPA・CPC・ROASの目標の達成は保証しない

手動の上限入札(Manual: Max bid)

広告主が上限を決める

目的がClicksなら上限CPC、Views(Reach)なら上限CPM。目的がクリックの上限CPCは1クリック3〜5米ドルから始めることを推奨

Bid Cap(成果最適化)

広告主が成果1件あたりの上限を決める

成果の起きやすさの予測から入札を決める。課金は選んだクリックか表示。推奨の入札額は現時点でない

方法の名前はヘルプの英語表記をもとにしています。2026年9月19日時点の当社の画面では、入札戦略の欄に「成果を最大化(自動)」と表示されていました。

Bid Capは「成果1件の請求額」でも「達成できる獲得単価の保証」でもありません。クリック課金なら有効なクリックに、表示課金なら表示に課金され、実際の単価はオークションで決まります。

図1:「成果を最大化」と手動の上限入札・Bid Capの違い。OpenAIの公式ヘルプと開発者向けドキュメント(Bidding & Budgets)をもとに当社作成。
図1:「成果を最大化」と手動の上限入札・Bid Capの違い。OpenAIの公式ヘルプと開発者向けドキュメント(Bidding & Budgets)をもとに当社作成。

目的・予算の種類との組み合わせ

入札方法は、キャンペーンの目的と予算の種類によって使えるものが決まります。開発者向けドキュメント(Bidding & Budgets)の組み合わせは次のとおりです。

目的(課金)

使える入札方法

予算の種類

Views(表示課金)

手動の上限CPM

日予算・総額予算

Clicks(クリック課金)

成果を最大化/手動の上限CPC

成果を最大化は日予算だけ。手動は日予算・総額予算

成果最適化(クリック課金)

成果を最大化/Bid Cap

成果を最大化は日予算だけ。Bid Capは日予算・総額予算

成果最適化(表示課金)

ヘルプはBid Capを説明。画面に出る方法に従う

開発者向けの組み合わせ表には載っていない

ほかにも、開発者向けドキュメントには次の条件があります。

  • 「成果を最大化」では上限額を入れず、オーディエンスの入札調整も使えない
  • 「成果を最大化」と手動の入札は、同じ目的の中で後から切り替えられる。手動から「成果を最大化」へ移るには日予算が必要で、入札調整は外す(手動に戻すときは入れ直す)
  • 目的と成果最適化のイベントは作成後に変えられず、変えるには新しいキャンペーンを作る(ヘルプは課金方式も変えられないとし、成果最適化のクリック課金から表示課金へは複製で移ると案内)

総額予算のキャンペーンを「成果を最大化」に切り替えるには、先に日予算へ変える必要があります。総額予算から日予算へは変えられますが、戻せません。 総額予算で検証の総額を守りたい場合は、最初から手動の入札で設計します(当社の提案)。

当社の運用で確かめた画面の挙動も添えます。2026年9月19日時点の画面では、目的をクリックにすると、成果イベントの選択は「任意」と表示されました。目的がクリックのキャンペーンはクリックに向けて最適化されるため、ここで選ぶ成果イベントは計測のためのもの、と当社は理解しています。

どの入札方法を選ぶか(当社の提案)

次の表は、状況ごとの組み合わせの例です。公式の推奨ではなく、当社の見解です。

状況

組み合わせの例

理由と注意

計測がまだ整っていない。まず配信とクリックを確かめたい

目的:Clicks、入札:成果を最大化、日予算

入札額を決める材料がない段階。消化は日予算で管理する。単価の目標は保証されない

1クリックに払える上限を社内で決めている

目的:Clicks、入札:手動の上限CPC

入札の上限を自社で決められる。低すぎると配信が絞られるため、警告を確かめる

検証の総額を予算の設定で厳しく守りたい

目的:ClicksかViews、手動の上限入札、総額予算

総額予算は手動の入札と組み合わせる。日予算に変えると戻せない

成果イベントが十分な頻度で届いている

目的:成果最適化、入札:成果を最大化

件数を優先する。獲得単価は保証されない。まれなイベントは評価が難しいと公式も書いている

獲得単価の上限を意識して運用したい

目的:成果最適化、入札:Bid Cap

成果1件に払ってよい額として入れる。実際の獲得単価の保証ではない

既存顧客など特定の層に強く入札したい

手動の入札+オーディエンスの入札調整

一致ユーザー2万5,000以上が必要。「成果を最大化」では使えない

成果最適化のクリック課金と表示課金の違いは、最適化に使う成果の範囲です。クリック課金はクリックの後の成果に、表示課金は表示とクリックの両方から生じる成果に向けて最適化されます。表示課金は、9月下旬までヘルプにあった「ベータ・順次拡大中」の記載が10月7日時点で消え(アップデートまとめの記事)、請求のヘルプでは「対象の広告主」が選べると書かれています。自社のアカウントで選べるかは作成画面で確かめます。評価では、クリック経由とビュー経由の両方を見ることが勧められています(ビュースルーの記事)。

初期値の決め方

上限CPC(目的がクリック)

公式の基本ヘルプは、目的がクリックのキャンペーンでは、上限CPCを1クリック3〜5米ドルから始めることを勧めています。米ドル建ての値で、日本円のアカウントでの推奨額は書かれていません。開発者向けドキュメントも、入札の上限や金額の細かさは、アカウントの通貨と目的によって異なるとしています。

当社は、為替で機械的に円へ換算するのではなく、次の2つから決めることを勧めます。

  1. 自社の採算から上限を出す。 1クリックに払える上限は、おおむね「許容できる獲得単価×クリックから成果に至る率」です。例えば、許容できる獲得単価を1万円、成果に至る率を1%と置けば、上限は100円になります(数字は計算の説明のための仮の値で、目安ではありません)。成果に至る率は、自社の既存媒体の数字を使います
  2. 画面の目安で競争力を確かめる。 Ads Managerは、入札が競争できる水準か、配信を絞り得るかの目安を示すことがあります

公開されているクリック単価の例はCPC・CTRの相場の記事で、条件つきで整理しています。

上限CPMとBid Cap

Bid Capは「現時点で推奨の入札額はない」とされ、上限CPMの推奨額もヘルプに書かれていません。Bid Capには成果1件に対する額を入れます。トラブル対応のヘルプは、成果最適化で入札がクリックの額になっていないかを確かめるよう書いています。当社は、許容できる獲得単価を出発点にすることを勧めます。APIで表示の入札を送る場合は、CPM(1,000回あたり)ではなく1回あたりの額で送ります。

成果を最大化

入札額は入れません。消化は日予算で管理します。日予算は日曜〜土曜の予算週の平均で、1日に日予算の2倍まで、予算週に7倍まで使われることがあります(費用の記事)。

入札が低いとき・予算を使い切らないとき

Ads Managerの公開手順は、公開後に広告グループの入札の警告を確かめるよう書いています。トラブル対応のヘルプによると、入札の推奨は推定値で、低い入札の警告は実際のオークションの結果にもとづくため、両者が食い違うことがあります。入札を上げても配信は保証されません。

開発者向けドキュメントには、警告の読み方の注意があります。

  • 低い入札の警告は目安で、配信を止める制限ではない
  • 停止中の広告グループや、広告グループを更新してから24時間以内は警告が出ない。警告がないことは、入札が十分な証拠にならない
  • 入札を上げても、停止中のキャンペーン、使い切ったアカウントの上限、否認された広告は解決しない

そこで、入札を触る前に、停止・審査・予算・期間・アカウントの上限の妨げがないかを先に確かめます。公開直後に表示がなくても、明らかな妨げがなければ、配信ゼロとしてサポートに報告する前に少なくとも24時間待つよう、ヘルプは書いています。

予算を使い切らないこともあります。予算の配分のヘルプは、入札方法を変えても総額予算の配分は上書きされず、低い入札は配信を絞り、予算より少ない消化になり得ると書いています。FAQも、成果最適化のキャンペーンの目的は成果を良くすることで、予算を使い切ることではないとしています。消化が予算に届かないことだけで異常とは限りません(配信されないときの記事)。

日予算と手動の入札を組み合わせる場合は、日予算を、対象の広告グループの実効入札額(オーディエンスの入札調整を含む)より低くできません。日予算を下げるときは、先に入札を下げます。この制約は、自動入札や総額予算のキャンペーンには適用されません。

オーディエンスの入札調整

カスタムオーディエンス(自社の顧客リストなどから作る対象者)に当てはまる人への上限入札を、広告グループごとに0.1倍〜10倍で調整できます。設定は広告グループの「Advanced settings」→「Audience bid adjustments」です。

項目

公式の記載

必要な規模

一致したユーザーが2万5,000以上(推奨は10万以上)

複数に当てはまる人

いちばん高い倍率が使われる

配信の対象

変わらない。当てはまらない人も配信の対象に残る(包含の指定とは別)

使える入札方法

手動の入札だけ(開発者向けドキュメント)

日予算との関係

調整後の実効入札額が、日予算の下限の条件に入る

ヘルプでは、価値の高い顧客に2倍、以前にブランドに接した人に5倍、優先度の低い層に0.5倍といった例が紹介されています。EEA・スイス向けのキャンペーンでは、パーソナライズ広告が提供されない間はカスタムオーディエンスを使わないよう案内されています。リストの作り方はターゲティングの記事で扱っています。

入札を変えるときの判断

公式は、入札・予算・クリエイティブを大きく変える前に、十分な量の実績を見るよう勧めています。当社の目安は、比べる対象ごとに、クリック100件未満ではCTR・CVRの優劣を、成果10件未満では獲得単価の優劣を断定しないことです。

変えるときの手順です(当社の提案)。

  1. 停止・審査・予算・期間などの妨げがないことを確かめる
  2. 変えるのは1回に1つ(入札だけ、など)にし、変更日と理由を記録する
  3. 開発者向けドキュメントによると、広告グループを更新してから24時間は低い入札の警告が出ないため、少なくとも1日あけて見る。消化額は約7〜8時間遅れ、平均CPC・CPMはさらに後、成果は24〜48時間で反映される
  4. 同じ期間の長さ・同じタイムゾーンで、変更の前後を比べる

開発者向けドキュメントも、何を・いつ変えたかを記録し、改善の理由を見分けたいなら複数の設定を同時に変えないよう書いています。判断の段階の分け方はテスト運用の記事で扱っています。

この記事で分からないこと

  • 日本円での推奨入札額。 ヘルプに書かれた推奨は、米ドル建ての上限CPC(3〜5米ドル)だけです
  • 「成果を最大化」が入札をどう決めるか、学習にどれくらいの期間や件数が要るか。 書かれていません
  • 成果最適化の表示課金で使える入札方法と予算の種類。 ヘルプはBid Capを説明していますが、開発者向けの組み合わせ表には表示課金の成果最適化が載っていません
  • 入札の推奨や強さの目安の計算方法、オークションで支払う額の計算式。 推奨が推定値であることと、関連性で重みづけした第二価格オークションであることだけが書かれています
  • 日本語の画面での各項目の表記。 当社が確かめたのは、入札戦略の「成果を最大化(自動)」と、目的がクリックのときの成果イベントの「任意」の表示です

入札を決める前のチェックリスト

  • [ ] 目的(Views・Clicks・成果最適化)と課金方式を、作成後に変えられない前提で決めた
  • [ ] 予算の種類と入札方法の組み合わせを確かめた(「成果を最大化」は日予算)
  • [ ] 手動の上限CPCは、許容できる獲得単価と成果に至る率から計算した
  • [ ] 成果最適化のBid Capは、成果1件に対する額で入れた
  • [ ] 日予算と手動の入札の組み合わせで、日予算が実効入札額を下回っていない
  • [ ] オーディエンスの入札調整を使う場合、一致ユーザーが2万5,000以上あることを確かめた
  • [ ] 公開後24時間たってから、入札の警告と配信の状態を確かめる予定にした
  • [ ] 入札を上げる前に、停止・審査・予算・期間の妨げを確かめる手順にした
  • [ ] 入札の変更は1回に1つにし、変更日と理由を記録する
  • [ ] クリック100件・成果10件の目安に届くまで、優劣を断定しない

よくある質問

Q. 目標CPAや目標ROASを指定する入札はありますか。 確認した範囲の公式資料には、目標CPAや目標ROASを指定する入札方法はありません。「成果を最大化」は件数を優先する方法で、ヘルプは、CPA・CPC・ROASなどの目標の達成は現時点で保証しないと書いています。守りたい入札の上限がある場合は、Ads Managerの手動などの入札の設定を使うよう案内されています。成果最適化のBid Capも、成果1件に払ってよい入札の上限で、獲得単価の保証ではありません。

Q. キーワードごとに入札を変えられますか。 キーワード単位の入札はありません。入札は広告グループの単位で設定し、広告グループに書くコンテキストヒントは完全一致のキーワードではありません。入札を変えたい相談場面ごとに広告グループを分け、それぞれに入札を設定します(当社の提案)。

Q. 上限CPCの3〜5ドルは、日本円ではいくらに設定すればよいですか。 公式の推奨は米ドル建てだけで、日本円の推奨額は書かれていません。当社は、為替で機械的に換算するより、許容できる獲得単価と成果に至る率から上限を出し、画面に出る入札の目安で競争力を確かめることを勧めます。

Q. オーディエンスの入札調整で、特定の層だけに配信できますか。 できません。入札調整は、当てはまる人への入札を上げ下げするだけで、当てはまらない人も配信の対象に残ります。特定の層だけに出したい、または外したい場合は、カスタムオーディエンスの包含・除外を使います(包含は一致ユーザー2万5,000以上が必要で、除外は2万5,000未満でも使えます)。設定はターゲティングの記事で扱っています。

Q. 入札の推奨と、低い入札の警告が食い違います。どちらを見ればよいですか。 ヘルプによると、入札の推奨は推定値で、低い入札の警告は実際のオークションの結果にもとづくため、食い違うことがあります。当社は、実際の結果にもとづく警告を優先して見ます。ただし入札を上げても配信は保証されないため、先に停止・審査・予算の妨げがないかを確かめます。広告グループを更新してから24時間は警告が出ないため(開発者向け)、変更の直後には判断しません。

まとめ

  • 入札は広告グループ単位。「成果を最大化」か、手動の上限入札(上限CPC・上限CPM・Bid Cap)から選ぶ
  • 実際に払う額はオークションで決まる。関連性も配信量に効く
  • 「成果を最大化」は日予算だけで、入札調整は使えない(開発者向け)。総額予算なら手動の入札
  • ヘルプが示す推奨の初期値は、目的がクリックの上限CPCの1クリック3〜5米ドルだけ。Bid Capは推奨額なし。上限CPM・円建ての推奨値は示されていない
  • 低い入札の警告は目安で、広告グループの更新後24時間は出ない(開発者向け)。入札を上げる前に配信の妨げを確かめる
  • 入札は1回に1つ変え、件数がたまってから判断する

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出典

いずれも2026年10月7日〜8日に本文を確認しています。

変更履歴

日付

内容

2026年10月8日

初版。公式ヘルプ13本と開発者向けドキュメント3本を本文確認

次回確認予定:2026年11月上旬。 入札方法と予算の種類の組み合わせ、成果最適化の表示課金で使える入札方法、推奨入札額の記載を確認します。

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