ChatGPT広告の7事例を比較。クリック・売上・有効リードを分けて見る
結論として、ECは購入・売上、B2Bは有効な問い合わせまで測って検証する必要があります。国内のCPC79〜435円は、今回掲載した2社の公表値の幅です。業種別の相場や、ChatGPT広告全体の平均を示すものではありません。自社で試す価値を判断するには、「どんな施策か」「何を成果と数えたか」「自社でも準備できるか」の3点を見るのが近道です。
今回選んだのは、運用者またはOpenAIが実際の配信数値を公表した7件です。広告主としての参加発表だけの例は含めていません。成果が伸びた例と伸びなかった例の両方を取り上げます。
CTRはクリック率、CPCはクリック単価、CVは購入・問い合わせなどの成果を指します。ROASは広告費に対する広告経由売上の比率です。
事例 | 公表された主な結果 | 確認できる成果の範囲 |
|---|---|---|
広告支援会社D/国内 | 100,000円、230クリック、CPC435円 | サイトへのクリック。CV数は非開示 |
広告支援会社C/国内 | 10,000円、126クリック、CPC79円 | サイトへのクリック。CV数は非開示 |
クリニック向け支援F/国内 | 訴求別CTR1.34%・1.01%、双方CV0件 | クリックと計測上の結果。CV0の原因は未確定 |
PCパーツ・家電EC事業者M/海外 | 28日間の全体ROAS3倍、2週間のセール施策ROAS7倍 | 広告経由売上。期間・対象の違う2指標 |
SEOツール会社N/海外 | 1,263クリック、CTR1.30% | 登録はごく少数。具体的な件数は非開示 |
金融アドバイザー紹介サービスO/海外 | 6か月目の承認済みリード単価がGoogle検索広告比35%低い | CRMで承認されたリード。匿名1社の報告 |
B2B支援会社A/海外 | 739クリック、CTR1.1%、有望リード0件 | 同社の支援サービスへの有望な問い合わせ |
出典と配信条件は各事例の本文に記載しています。金額はすべて元から日本円の公表値です。単価や比率は公表時の丸め方を保っています。
すぐに自社で試せそうな施策を探すなら、商材の近い事例から読んでみてください。ECなら商品情報と購入の計測、B2Bなら問い合わせ後の質をどう確かめたかが手がかりになります。ただし、商材・地域・期間・予算が違うため、表の数字をそのまま成績順位として比べることはできません。
- EC・物販:PCパーツ・家電EC事業者Mで、商品情報とセール施策の使い方を見る。
- B2B・問い合わせ獲得:SEOツール会社NとB2B支援会社Aで獲得までの課題を、金融アドバイザー紹介サービスOでリードの評価方法を見る。
- 国内の初回テスト:広告支援会社D・広告支援会社C・クリニック向け支援Fで、予算消化と計測の確認点を見る。
国内3事例:少額配信の結果と、初動で必要になる作業
国内の公開例からは、費用に対してどれだけ表示・クリックが得られたかを確認できます。今回の3例には、購入や有効な問い合わせの成果を十分に比較できる情報がないため、初回検証の設計を考える材料として使います。
1. 広告支援会社D:100,000円で230クリック。初動の予算監視が必要
同社は自社の配信検証として、次の数値を公表しています。
- 広告費:100,000円。表示回数:27,945回。
- クリック数:230回。CTR:0.82%。平均CPC:435円。
- 設定したCPC上限:500円。詳しい配信期間・CV数:非開示。
予算は短時間で消化したと報告されています。確認できるのはクリックを得られたことで、問い合わせ単価や収益性はわかりません。出典を確認(広告支援会社Dの実配信データ)
自社で試すときも、入稿後に誰が消化ペースを確認するかを決めておきましょう。ほかの媒体を運用している担当者が兼務するなら、配信開始後の確認時間も予定に入れる必要があります。予算を設定する作業と、実際の支出を見ながら続け方を判断する作業は、どちらも欠かせません。
2. 広告支援会社C:10,000円で126クリック。設定期間と実際の配信時間を分ける
広告支援会社Cはクリック目的で、キャンペーン予算10,000円のテストを実施しました。
- 表示回数:8,707回。クリック数:126回。
- CTR:1.45%。CPC:79円。CV数:非開示。
- 設定期間:〜。実際は7時間程度で予算を消化。
少額でクリックを得た例ですが、30日間運用した結果ではありません。途中で入札額を変えており、CPCが変化した原因を入札変更だけに絞ることもできません。出典を確認(広告支援会社Cの配信結果)
自社のテストでは「総額」「予定期間」「実際の配信時間」を別々に記録します。この事例のキャンペーン総額と、現在の日予算の平均・上限の仕組みも区別して扱います。出典:現在の日予算の仕様
3. クリニック向け支援F:訴求別CTRは1.34%と1.01%。CV0の原因を切り分ける
クリニック向け支援Fの運営者は、日本向けにクリニック向けLLMO支援のLPを広告配信しました。クリニックの患者募集広告ではありません。
- LPに寄せた訴求:2,500円、2,165表示、29クリック、CTR1.34%。
- 広いLLMO訴求:5,000円、5,070表示、51クリック、CTR1.01%。
- 確認時点のCV:双方0件。未獲得か未計測かは未確定。
CTRには差がありますが、条件を揃えた十分な比較試験として、優劣が確定した数字ではありません。本人も成果の有無と計測の問題を分ける必要性を説明しています。記事内の自然流入の数値は、上記の広告結果に含めていません。出典を確認(クリニック向け支援Fの計測報告)
自社で試すなら、フォーム閲覧・入力・送信完了を確認できるようにします。クリック後に止まっている場所がわかれば、広告・LP・計測のどこを直すか判断できます。
海外4事例:売上成果と、B2Bでクリックを獲得へ変える難しさ
海外では、商品フィードを使ったEC施策や、数か月単位でリードを評価した例も公開されています。数値とともに、成果の対象・期間と施策を確認します。
4. PCパーツ・家電EC事業者M:商品フィードとセール施策で、全体ROAS3倍を報告
PCパーツ・家電EC事業者Mは、商品フィードを使う常設広告と、セール期間に合わせたCPCキャンペーンを組み合わせました。この2本立ての構造と、日本のECで先に確認したい制約はECの設計記事で掘り下げています。
- 28日間のキャンペーン全体:ROAS3倍。
- 2週間のセール施策:ROAS7倍。
- 広告費・購入件数・帰属期間:記事では非開示。
ROAS3倍は、広告費の3倍の売上という意味で、利益が3倍ではありません。全体とセール施策は対象・期間が違うため、2つの比率を足して評価しません。出典を確認(OpenAIが公表したEC事業者Mの事例)
参考になるのは、用途やスペックを比較される商品を、具体的な商品情報で広告につなげる方法です。自社で試すなら、対象商品を選び、価格・在庫・LPを揃え、購入と売上を測ります。
この方法を続けるには、広告を作った後も商品情報の更新が必要です。セールが終わったときや在庫が変わったときに、商品データと広告・LPの表示を誰が確認するかまで決めておきましょう。参考にしたいのはROASの数字だけでなく、その施策を自社で続けるための準備です。
5. SEOツール会社N:1,263クリックでも登録はごく少数。到達と獲得は別に評価
SEOツール会社Nは、米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドで2週間程度、自社サービスをテストしました。
- 配信構成:3キャンペーン、8広告グループ、48広告。
- 結果:97,000超の表示、1,263クリック、CTR1.30%。
- 登録:ごく少数と報告。具体的な件数・広告費:非開示。
同社は、継続するほどの登録成果ではなかったと説明しています。理想顧客が広告非表示の有料プランを使っている可能性も挙げていますが、これは原因として確定していません。出典を確認(SEOツール会社Nの広告テスト)
自社での検証は「顧客がChatGPTを使う」だけでなく、広告から来た人が登録・問い合わせまで進むかを確認します。本項では、同記事内の別のプロンプト調査ではなく、広告配信テストの結果を取り上げています。
テストは手動CPCで行われました。現在の機能で結果が同じになるとは限りませんが、クリック後の成果を測る必要性は変わりません。
6. 金融アドバイザー紹介サービスO:6か月目の承認済みリード単価がGoogle検索広告より35%低い
運用支援会社が、米国の金融アドバイザー紹介サービスOを2026年3月から運用した結果を報告しています。掲載元でも広告主は匿名です。
- 初月の承認済みリード単価:Google検索広告の3.2倍。
- 6か月目の同単価:Google検索広告より35%低い水準。
- 比較条件:同じCRMの承認済みリード定義。Google側の月間予算はChatGPT側の3.5倍。
絶対額とリード件数は非開示です。同じ予算規模で優位性が続くことを示す結果ではありません。出典を確認(サービスOの6か月の運用報告)
自社でも取り入れたいのは、広告管理画面のCV数だけでなく、営業が有効と認めた問い合わせで比べる方法です。そのためには、営業側から商談につながったかを確認し、既存媒体と同じ基準で集計する作業が必要になります。変更した施策と結果を一緒に残せば、何を続け、何を見直すかを話し合いやすくなります。
継続する際は、待つ期間だけでなく、改善する施策と判定日を決めます。また、金融分野の事例があっても、自社商品の出稿可否は対象地域と現行ポリシーで別途確認します。
7. B2B支援会社A:739クリック、有望リード0件。相談までの導線が検証課題
B2B支援会社Aは、自社のマーケティング支援サービスを、製造業や金融サービスなど3つの対象に向けて配信しました。
- 表示回数:69,630回。クリック数:739回。CTR:1.1%。
- 有望リード:0件。すべてのサイト上の行動が0件という意味ではない。
- 広告対象:同社の支援サービス。3社の顧客案件の成果ではない。
クリックが集まっても、有望な問い合わせの獲得にはつながらなかった例です。出典を確認(B2B支援会社Aの配信テスト)
次の検証候補は、顧客が求める情報と、LPで求める行動の距離です。情報収集段階の人に商談申し込みだけを求めていないかを確認します。これは自社で試すための仮説であり、同社の未獲得の原因を特定したものではありません。
B2Bの公開事例を、クリックから受注までの段階ごとに整理したものはB2B事例の記事にまとめています。
事例を、自社の「最初に試す内容」へ変える3つの視点
他社の数字を予算見込みとして使うより、施策と判断方法を自社に置き換えます。以下は事例を踏まえた検証案で、成果の予測ではありません。
1. 顧客の疑問を選び、広告とLPで同じ答えを示す
商材に近い例を1つ選び、顧客の疑問とページの内容を揃えます。
自社の商材・目的 | 最初に試す内容の例 | 主要な成果 |
|---|---|---|
比較されやすいEC商品 | 用途・価格・スペックを揃えた商品群とLPで配信 | 購入、広告経由売上 |
B2Bサービス | 導入の手間や対応範囲に答える広告とLPを用意 | 有効な問い合わせ、商談 |
国内で初回テスト | 説明しやすい1商材を選び、予算消化と計測を確認 | 配信量、主要CV |
機能や強みを並べるだけでなく、「顧客の何が楽になるか」「判断に必要な証拠は何か」を書き出します。その答えが広告からLPまで続いているかを確認しましょう。
2. 数字は成果の定義を揃え、事実から次の検証へ進む
例えば「クリック単価が低いが、有効な問い合わせはない」という結果なら、次のように整理します。
- 事実:いくらで何クリック・何件の有効問い合わせが得られたか。
- 範囲:どの商材・地域・期間・LPで確認した結果か。
- 仮説:顧客の検討段階と、LPで求める行動が合っていない可能性。
- 次の検証:対象LPに価格・導入手順を補い、フォーム送信率と有効問い合わせ数を判定日に確認する。
ECならROASに加えて粗利、B2Bなら問い合わせ単価に加えて有効率や商談化を見ます。既存媒体と、主要CVの定義・期間・対象を揃えることが比較の前提です。
公開事例の数字を、比較相手・期間・成果の定義などから読む方法は公開事例の数字の読み方で扱っています。
3. 予算監視・LP修正・計測確認を、誰が担うか決める
事例で紹介された施策を自社で試すには、広告文を作る以外にも作業があります。
- 配信の初動:支出と配信量を確認する。
- クリック後:商品情報・LP・フォームを修正する。
- 成果確認:計測の不具合を調べ、有効な問い合わせを判定する。
自社で商材や顧客をよく理解していても、広告を作り、計測を確かめ、営業に問い合わせの質を聞き、改善案にまとめる時間が足りないことはあります。その場合は、広告設計・計測・改善を外部と分担する方法があります。代理店への相談では、「この事例を自社で試すために、何を準備し、どこまで任せられるか」を確認しましょう。商材の情報提供や成果の判断など、自社に残る役割もわかります。
ChatGPT広告の事例でよくある質問
社内で検討する際に、数字の扱いで迷いやすい3点を補足します。
国内事例のCPC79円や435円から、市場の相場は算出できない
79〜435円は、今回掲載した国内2社の平均CPCの幅です。業種別の相場は、この少数例からは判断できません。自社ではCPCに加えて、問い合わせ率・購入率と、1件あたりの獲得費用を確認します。
同じ業種の成功例でも、成果をそのまま再現できるとは限らない
商品・価格・顧客・地域・期間・LP・計測条件で結果は変わります。まず参考にする施策を選び、自社のデータで検証します。
海外事例は、使える機能と日本の顧客の比較条件を確認して取り入れる
対象アカウントで同じ機能を使えるか、商品・地域が対象かを確認します。そのうえで、日本の顧客が気にする価格・導入条件・使い方に広告とLPを合わせます。
教育・語学分野の公開事例は教育・語学事例の記事で、事例を原典までたどって確かめる手順は事例・競合の調べ方で扱っています。
まとめ:近い事例を1つ選び、成果と準備を具体化する
検討の最後には、次の3点を揃えましょう。
- 自社に近い事例があり、試す施策を説明できる(判断の手順は自社に向くかの記事)。
- クリックだけでなく、自社にとっての成果を測れる。
- 予算監視・LP・計測など、必要な作業を分担できる。
IkigaiのGPT広告専門店では、自社に近い事例の選定から、訴求・予算・LP・計測の準備まで相談できます。商材のURLと困りごとがあれば、未確定の項目から整理できます。自社で試す内容を相談する
本記事は株式会社Ikigaiが公開情報をもとに制作しています。紹介した他社の成果はIkigaiの運用実績ではありません。GPT広告専門店はOpenAIの公式・公認サービスではありません。
公式の提供条件と各社の公開資料を参照し、本文中に出典を記載しています。公開事例の成果は、各社・運用者が公表した条件での結果です。出典リンクから元の公開資料を確認できます。利用できる機能と出稿条件は、設定時のAds Manager・公式ガイドでも確認してください。