CHATGPT ADS GUIDE 28 / 社内提案

2026年9月最新版

ChatGPT広告の社内提案・稟議書テンプレート|テスト予算と判断基準の書き方

ChatGPT広告のテストを社内で通すための提案書のひな型です。背景は公式の事実だけで書き、予算は判断に必要な件数から逆算し、「最大でいくら使うか」を日予算の上限の仕組みと支払い条件で示します。

仕様と発表はOpenAIの公式情報で確認しています。提案書のひな型と説明例は株式会社Ikigaiの提案で、成果を保証するものではありません。

この記事の要点

  1. 稟議で通すのは「広告を始めること」ではなく、「決めた期間と予算で、決めた問いに答えを出すこと」です。 目的、予算の上限、判断基準、停止条件、体制を1枚にまとめます。
  2. 背景は公式の事実だけで書き、期待効果は約束しません。 公式は業種横断のベンチマークはまだないと明記しています。他社事例は「条件つきの参考」として扱います。
  3. 予算は、判断に必要な成果の件数から逆算します。 そのうえで、日予算の2倍・7倍の上限と、支払いの仕組みで「最大でいくら使うか」を説明します。

読んでほしい人:ChatGPT広告のテストを上司や決裁者に提案する広告担当者・マーケティング担当者。
この記事で扱わないこと:費用の内訳と相場の考え方は費用の記事、テスト中の判断の進め方はテスト運用の記事で扱います。

決裁者が知りたい5つのこと

提案書は、決裁者が判断に使う次の5つの問いに答える形にします。

決裁者の問い

提案書で答えること

なぜ今、試すのか

公式に確認できる背景と、自社の課題とのつながり

いくら、いつまで使うのか

予算の上限、期間、最大の支出が決まる仕組み

何が分かるのか

検証する問いと、成果の定義

どうなったら止めるのか

判定日と、続ける・直す・止める・保留の条件

誰が何をするのか

社内と外部の分担、必要な社内の工数

図1:ChatGPT広告のテストの提案書の構成。当社作成。
図1:ChatGPT広告のテストの提案書の構成。当社作成。

提案書のひな型(1枚)

項目

書く内容

記入例

1. 目的

このテストで判断したいこと

ChatGPT広告が、比較検討中の見込み客から既存媒体並みの単価で問い合わせを獲得できるかを判断する

2. 背景

公式に確認できる事実(下記)

日本はセルフサーブの提供国。公式に業種横断のベンチマークはない

3. 検証の問い

何が分かれば次に進めるか

ChatGPTでの相談のテーマAで、問い合わせ単価が既存の検索広告の許容単価に収まるか

4. 範囲

商材、ChatGPTでの相談のテーマ、地域、期間

商材X、相談のテーマ2つ、日本、30日間

5. 予算

総額の上限と日予算、根拠

総額◯万円、日予算◯円(下記の計算)

6. 成果の定義

何を1件と数えるか

無料相談フォームの送信完了。受注はCRMで別に集計

7. 判断基準

判定日と条件

7日・14日・30日。条件は判断表のとおり

8. 停止条件

すぐ止める条件

審査で主要な広告が通らない、計測が動かない、承認した総額の上限に達した

9. 体制

社内と外部の分担

広告は担当者、LPはWeb担当、成果の判定は営業

10. 報告

いつ、誰に、何を報告するか

週1回の簡易報告、30日後に判断会

稟議書に貼り付ける形(テキスト)

上の表を埋めたら、社内の稟議書の書式に合わせて次のように書き写します。

件名:ChatGPT広告のテスト配信実施について(伺い)

1. 目的:
2. 期間:2026年◯月◯日〜◯月◯日(◯日間)
3. 承認金額(上限・税別):
   広告費 総額◯円(日予算◯円/1日の最大◯円・予算週の最大◯円)
   支援費 ◯円(外部に依頼する場合)
4. 支払方法:法人クレジットカード(Ads Managerに登録)
5. 成果の定義:
6. 判定日と基準:7日・14日・30日(別紙の判断表のとおり)
7. 停止条件:
8. 体制:
9. 報告:毎週◯曜日に簡易報告、◯月◯日に判断会

背景の書き方:公式の事実だけを使う

背景には、確認日と出典を付けられる事実だけを書きます。2026年9月25日時点で使える事実の例です。

事実

出典

日本はAds Managerのセルフサーブ提供国

提供国一覧(ヘルプセンター)

2026年9月23日の東南アジア・台湾への展開で、提供国は60か国超

OpenAIの発表(9月23日)

開始から200日未満で年換算の売上規模10億ドル、数万の広告主が利用

OpenAIの発表(8月31日)

広告はFreeとGoのプランに表示され、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduには表示されない

利用者向けヘルプ

業種横断のベンチマークはまだない。ベータ中は配信と消化額が変動し得る

公式FAQ

書かない方がよいこと:

  • 「CPAが半分になる」「検索広告より安い」など、自社で確かめていない効果の断定
  • 他社事例の数字を、自社の期待値として書くこと
  • ChatGPT全体の利用者数を、広告の到達数として書くこと

他社事例を使う場合は「どんな設計を試すかの参考」として書きます。例えば「AI語学学習アプリPは、既存のネイティブ広告と比べて体験開始単価が約51%低かったと報告している(広告主の社内推計、2026年7月1日〜9月9日)。当社では同じように、短い成果(無料体験)を先に置く設計を試す」のように、条件と使い方をセットにします。数字の読み方は効果の読み方の記事で扱っています。

予算の組み立て方

1. 判断に必要な件数から逆算する

必要なクリック数 = 判断に必要な成果の件数 ÷ 想定のCVR
必要な予算     = 必要なクリック数 × 想定のクリック単価

計算例(数値は仮の値で、相場ではありません):

前提

予算が少なく済む場合

多く要る場合

判断に必要な成果の件数

10件

10件

想定のCVR(クリックから成果に至る割合)

4%

2%

必要なクリック数

250

500

想定のクリック単価

150円

435円

必要な予算

37,500円

217,500円

CVRとクリック単価は、自社の既存媒体の数字や、小さく試した結果に置き換えてください。公式にはベンチマークがなく、国内で公開されている2社の平均クリック単価も79円と435円で大きく違います(費用の記事で紹介)。見積もりは高い方の単価で置くと、予算不足で判断できなくなる事態を避けやすくなります。

なお、日本円の最低日予算2,500円で30日配信すると約75,000円になります。逆算した額がこれを下回るときは、期間を短くするか、75,000円を上限として書きます。

2. 上限の書き方

決裁者が気にするのは「最大でいくら使うのか」です。ChatGPT広告の日予算は7日間の平均として扱われ、1日の上限は日予算の2倍、予算週(日曜〜土曜)の上限は7倍です(仕組みの詳細は費用の記事)。キャンペーン総額の予算を設定することもできます。

稟議では、承認額を次のように書きます。

広告費:総額上限◯円(税別)。日予算◯円(1日の最大◯円、予算週の最大◯円)

例えば日予算5,000円なら、「1日の最大10,000円、予算週の最大35,000円」と書きます。

3. 他社の推奨予算の扱い

公開されている推奨予算は、会社によって大きく違います。米国の広告会社Wは、複数アカウントの経験から「少なくとも月5,000〜10,000ドル」を推奨しています(出典を確認)。一方、オーストリアの広告支援会社Uは、Google広告の予算を移すのではなく、小さな追加予算で4週間試すことを勧めています(出典を確認)。

どちらも各社の見解で、根拠となる件数は公表されていません。自社の予算は、判断に必要な件数と、失ってもよい上限から決めます。

4. 支払いと経理への説明

項目

内容

支払い方法

セルフサーブはクレジットカード。未払いの消化額が「支払いしきい値」に達した時点と、月末に請求

支払いしきい値

キャンペーンの予算やアカウントの上限ではない。広告主もサポート窓口も変更できない

停止後の課金

一時停止しても、最大24時間ほど広告が表示されることがあり、その分は課金対象

消費税

公式FAQは、日本で請求を受ける広告主のChatGPT広告の請求書には、現在日本の消費税(JCT)を課していないと説明。税務の扱いは税理士に確認

外部の支援費

代理店に依頼する場合は、広告費と別に計上する

判断基準と停止条件の書き方

段階

判定日

続ける条件

止める条件

保留の条件

配信

7日

表示・クリックが出ている

審査が通らない、配信が出ない理由が解消できない

―

クリック後

14日

サイトに届き、予定した行動が起きている

計測が動かず直せない

クリックが少なく判断できない

成果

30日

成果10件以上で、単価が許容上限以下

成果10件以上で、単価が許容上限を超える

成果が10件に届かない

「保留」を入れておくと、少額のテストで結論を急がずに済みます。詳しい考え方はテスト運用の記事で扱っています。

リスクと対応

リスク

対応

審査で否認される

入稿前にポリシーを確認。通らない場合の代わりの商材を決めておく

配信が出ない

7日時点で原因を切り分ける。予算週と審査を先に確認

予算を早く使い切る

日予算の2倍・7倍の上限を承認時に説明。週の途中で日予算を変えると、その週の上限は残りの日数分で日割りされる

計測が動かない

配信前にテスト送信で確認。成果イベントの名前の一致を確認

届く相手が限られる

FreeとGoのプランの利用者に表示される前提で、検証の問いを立てる

仕様が変わる

週1回、公式ヘルプを確認。成果最適化の表示課金は9月25日時点でベータ

個人情報の扱い

Pixelやフォームのデータについて、プライバシーポリシーと同意を確認

説明の例

目的と期待することを、決裁者向けに書くと次のようになります(当社の作例)。

本テストは、ChatGPT広告が当社の新しい獲得経路になり得るかを判断するためのものです。30日間・総額◯万円を上限に、比較検討中の見込み客が多い相談のテーマを2つ選んで配信し、無料相談の件数と単価を既存の検索広告と同じ定義で比べます。公式に業種をまたいだ成果の目安はまだないため、成果を約束するものではありません。30日後に「続ける・直す・止める・保留」を判断し、結果にかかわらず、相談のテーマの設計と計測の仕組みは他の施策にも使える資産として残します。

この記事で分からないこと

  • 自社の商材で必要な予算の正確な額。 CVRとクリック単価は、実際に配信するまで分かりません
  • ChatGPT広告の標準的な成果の水準。 公式にベンチマークはありません
  • 税務・会計の個別の扱い。 公式FAQの記載を紹介していますが、税務の判断は税理士に確認してください

よくある質問

Q. 最低いくらから試せますか。 日本円のアカウントの最低日予算は1キャンペーンあたり2,500円です。30日で約75,000円になります。ただし、判断に必要な件数が集まるかは別の問題なので、件数からの逆算もあわせて示します。

Q. 30日で判断できますか。 配信とクリック後の状況は30日で確認できますが、成果の件数が少ない商材や、受注まで時間がかかる商材では、30日時点では「保留」になることがあります。提案書に保留の条件を入れておきます。

Q. 期待効果を数字で書くよう求められたら。 他社事例の数字を期待値として書くのは避け、「判断に必要な件数」と「許容できる単価の上限」を書くことを勧めます。期待効果ではなく、判断の基準を数字で示す形です。

Q. 稟議の金額は、日予算と総額のどちらで書きますか。 両方です。総額の上限を承認額とし、日予算と、1日・予算週の最大額を併記します。経理向けには、支払いしきい値と月末の請求の仕組みも添えます。

Q. 代理店の費用も稟議に含めますか。 含めます。広告費と支援費を分けて書き、支援費に何が含まれるか(相談場面の設計、広告制作、計測、レポートなど)を明記します。分担の考え方は自社運用と代理店の分担の記事で扱っています。

まとめ

  • 稟議で通すのは「決めた期間・予算で、決めた問いに答えを出すこと」
  • 背景は公式の事実だけで書き、期待効果は約束しない
  • 予算は判断に必要な件数から逆算し、日予算の2倍・7倍の上限で最大額を説明する
  • 判断基準と停止条件に「保留」を入れる
  • 支払いしきい値、停止後の課金、消費税の扱いも経理向けに添える

自社の商材で提案書をまとめたい場合は、既存媒体のCVR・クリック単価と、想定している予算の範囲をお手元に用意のうえ20分の無料相談をご利用ください。

出典

いずれも2026年9月25日に本文を確認しています。

変更履歴

日付

内容

2026年9月25日

初版。公式ヘルプ7本・公式発表2本・公開情報3件を本文確認

次回確認予定:2026年9月28日。 予算・請求の仕様と提供国の更新を確認します。

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